街から冬山までカバー。コスパ最強のアウトドアグローブを使ってみた
もう寒くない。
普通の手袋とはまったく違う暖かさで、冬の外出が楽しくなる。
目次 ・手袋について、本気で考えてみた。 ・普通の手袋には戻れない!? ・自転車で風をきってみた。 ・ハイキングで検証。 ・雪かき ・スキー・スノーボード ・暖かいのに安い。高コスパの理由 ・まとめ |
手袋について、本気で考えてみた。
体の中で真っ先に冷えるのは指先だ。
だからこそ、しっかり暖かいグローブを選ぶだけで屋外でのアクティビティはがぜん快適性が上がる。
にも関わらず、グローブのチョイスに気合いを入れる人は少ない。
お値段と見た目で手袋を購入した結果、すぐ水分が滲みてしまったが、買うのがもったいないので微妙に我慢しながら1シーズン使った経験は無いだろうか。
乾ききらないグローブを翌日も気持ち悪い思いで使ったことはないだろうか。
今回は、アウトドア・ブランド「ラドウェザー」の防寒グローブを使ってみた。
実はラドウェザーは近年アパレルの評価が高く、グローブの他ジャケットやパンツなども冬用のモデルを続々リリースしている。
この防寒グローブの特徴はダウンジャケットやシュラフ、寝具などにも使用されている化繊の中綿「3Mシンサレート(TM)」を採用していて、天然ダウンに比べて安価で暖かい、を実現している。
この安さにしてこのスペックは凄い、とにかくコスパが高い。
検証するモデルと値段はこちら
①5本指型(中綿100g) 2800円
②5本指型(中綿200g) 3800円
③ミトン型(中綿200g) 4980円
ベーシックな5本指(以下5本指①)、中綿を増量した5本指上位モデル(以下5本指②)、防寒性の最も高いミトンタイプ(以下ミトン)の全3種類。
使用するシーン、行動範囲などによってチョイスができる。
実際に冬のシチュエーションで使えるのか。
謳われている暖かさはどこまでリアルなのか。
冬の様々なアウトドアシーンで、全3種類の使用感を試してみた。
普通の手袋には戻れない!?
気軽に使えて暖かい。
検証シーン : 近所の公園
検証する機能 : 保温性
使用モデル : 5本指①
まずは日常の散歩シーンから試してみる。
運動量が少ないため、まさに3Mシンサレート(TM)の保温性が試されるシーン。
12月中旬、住宅街の公園に遊びに行ってみた。
使用したのはベーシックな5本指①タイプ、サイズは1番小さいMを着用。
まず、裏地のフリースがめちゃくちゃ心地よい。
薄くてキメが細かく、なんだかサラッとしている。
見た目はガッシリごつめに見えるのだが、着用してみると想像に反して薄くて動きやすい。
寒さはというと、指先にはまったく寒さを感じない。
手首にはゴムで絞りが入っている。
アジャストはできない作りだが、上からアウターを被せられるので特に寒くない。
軽く動いてみる。
気温は4度と低めだったが本当に暖かい。
暖かいというのか、外気の冷たさを感じないので寒いのかどうなのかよく分からない。
鉄の滑り台をガッチリ握ってみたが、冷たさは感じなかった。
ちょっとした外出時には充分すぎるほど充分。
自転車で風をきってみた。
スースー感無し、防水なので雨や雪も大丈夫。
検証シーン : 住宅街で自転車に乗る
検証する機能 : 防水性、防寒性、操作性、視認性
使用モデル : 5本指①
同じく5本指①を着用。
自転車の場合、運動量はあるが手先はダイレクトに風が当たるため、保温性とともに防風性が1番重要。
また、構造やサイズ感がイマイチだとスキマ風で手首がスースーしたりするので非常に寒い。
同じく住宅街を自転車で移動してみた。
手に風当たりは感じるが、冷たさはまったく感じない。
表生地は薄手でしっかりしたスパンデックスを使用していて全然風を通さない。
裏地のフリースが返し状についているためか、手首スースー感もまったく問題ない。
寒くない。
全然寒くない。
まったくもって寒くない。
正直なところ、無風の日に自転車に乗ったくらいでは余裕すぎである。
散歩と同様にサイズはMを着用。
筆者の体格は174cm、手の大きさは標準よりやや小さめといったところ。
ちょうどジャストサイズだ。
インナーからシェルまで一体型のため、中でズレる感じもない。
滑り止めは手の平全体に付いている。
指のあたりは点状になっていてブレーキ操作も楽だ。
中央部(親指の付け根当たり)は大きなロゴ型になっていてブレーキを握る際に厚みは感じるが、妨げにはならない。
防水性については、この日は曇りだったため別で検証。
結構な水量をかけてみたが、滲みることなく無傷。
水の冷たさも感じない。
突発的な雨や、少量の雪ならば余裕で対応可能だ。
ちなみに公式スペックでは耐水圧10,000mm。アウトドア用品で防水と謳われる基準を満たしている。
どんなに暴風雨でも10,000mmには達しないので、ペットの散歩をしたり、お子さんと公園で遊んだり、日常レベルで外に出るシチュエーションでは5本指①タイプで充分。
また手の甲のプリントはリフレクター(反射プリント)になっていて、夜間も安全。
親指と人差し指の先はタッチパネル対応。
写真は撮りたいけど、寒い中いちいち脱ぎたくない。
またリイシューコードがついていないタイプは、落としたり失くしたりする心配があるので、そのまま操作可能は助かる。
指の先端でタッチしてもしっかり反応するので、写真撮影程度なら充分可能。
またスマホを持っている側も、手のひら全体のグリップが強いので、うっかり落とさなくてすみそうだ。
ハイキングで検証。
防寒性が高く暖かい。
かつ透湿性も高いので蒸れにくい。
検証シーン : 冬のハイキング
検証する機能 : 防寒性、透湿性、操作性
使用モデル : 5本指②
より気温の低い場所で、かつ運動量のあるシーンでの快適性はどうなのかを検証。
体を動かす場合はこの透湿性が重要だ。
湿ってしまったグローブは冷たい。
素手の方がマシかという位冷える。内部が濡れてしまった途端、防寒着の意味はなくなってしまう。
そして地味にイヤなのが、湿るとクサいのだ。
特にインナーが一体型のグローブの場合は、一度湿ってしまうと取り外して乾かせないからやっかいだ。
使用したのは、中綿を200g/1平方メートルに増量したベーシックな5本指タイプの上位モデル。
5本指①と同じくインナーからシェルまで一体型の4層構造。
冬が始まった12月の裏磐梯に行ってみた。
中綿が倍の200g使用されているが、それ程厚みが増えている感触はない。
カフは5本指と同様短めだが、5本指②モデルには面ファスナーが付いており、より密着感がある。
行き先のハイキングコースの標高は800m。
雪はまだ少ないものの、曇っていて日中でも気温は0度。
肌が露出している顔まわりには空気の冷たさを直に感じるが、手の方には一切感じない。
湖をぐるり、ハイキングコースを1時間歩いてみた。
平坦ではあるが、しっかり歩いたのでザックと密着した背中が汗ばんできた。
手元もホカホカとしているが、蒸れてベタつく感じはまったくない。
薄手の裏地フリースはサラッとしたまま、当たりも常に柔らかく快適。
5本指①と同様、親指と人差し指はタッチパネル対応。
着用したまま記念撮影も可能。
ザックの開け閉めには少々手間取った。
ペットボトルの開け閉めなど、細かな操作は5本指①に比べると指先がダブつくかもしれないので、しっかりジャストサイズを選んで欲しい。
天気が良く短時間のハイキングであれば、5本指①タイプでも可能そうだ。
雪かき
シリコン製滑り止めのグリップ力が強い。滑らずしっかり握れて作業効率UP。
泥汚れもつきづらい。
外で手先を使う作業中は、暖かくかつ操作性の良いものが良い。
薄手すぎて手が冷えるのは意味がないし、かと言って防寒しっかりのものは厚手すぎて動きにくい。
手先の使い勝手はどうか?
屋外作業の代表として雪かきで検証。
検証シーン : 雪かき
検証する機能 : 操作性、防寒性
使用モデル : 5本指②
中綿200gのモデルを使用。
面の部分のグリップが非常に強くて、かなり作業が楽である。
また、薄手にも関わらず生地が強い。
枝やスコップに引っ掛けても痛くないので安心感がある。
寒さについては文句なし。
雪かきの他、冷凍庫や倉庫内、寒い場所で手を酷使するシーンでも役立ちそう。
ひとつ持っておくと広範囲で使えそうだ。
スキー・スノーボード
防寒性と透湿性で、ゲレンデでもリフト上でも蒸れずに冷えにくい。
検証シーン : スノーボード
検証する機能 : 防水性、防寒性、透湿性
使用モデル : ミトン
さらに寒いところへ行ってみた。
使用したのは3種類目ミトンタイプ。
中綿は200g/1平方メートルと5本指上位モデルと同じ量を使用。
さらにミトン型なので保温性が3種類の中で最も高い。
5本指にはないリイシューコードも付属していて、日常仕様ではなくしっかり冬仕様な作りとなっている。
カフは、一体型としてはまあまあ長め。
雪が積もったシーンもokだろう。
(今回は圧雪されたゲレンデ内のみの使用)
スキー場で1日使用してみた。
ゲレンデには実はリフトという最大の冷えポイントがある。
冬登山に比べれば寒くないよね、と思われがちだが、体を動かし続ける登山と違い、リフト上ではまったく動けないので天候によっては登山より過酷な瞬間がある。
山の上は平地よりも湿度が低く、風も強い。
気温0度の環境では、体感温度は3〜4度は下がるだろう。
動きを止めた瞬間から寒いのに、さらに10分もの間じっと座って待つのだ。
ウェアやギアの保温性が快適さ、ひいては楽しさを左右する。
まず、風の冷たさはまったく問題なし。
スピードを出すと首元がスースーと寒かったが、手元、指先は一切寒さなし。
また、問題のリフト上でも手元が凍えることは一度もなかった。
というより、寒さのことを忘れていたくらいに何事もなかった。
この日はまだシーズン序盤であり、雪が湿っぽい。
気温が低く雪がサラサラしているトップシーズンよりも、この時期の方が耐水性が必要である。
積極的に転んでは手をついてみたが、指先の方まで滲みこみはなかった。
ミトンのアウターは親指のみタッチパネル対応。
ミトン型はバインディングの装着など手元の操作はしづらいので、動かしやすさ重視ならば5本指②タイプをすすめる。
暖かいのに安い。高コスパの理由
全3種類のグローブはすべて4層構造になっており、4層それぞれが個別の機能を担っている。
1層目は吸水性のあるフリース。
2層目は透湿性のあるメンブレン。
3層目が、最強の保温性を担っている高機能中綿「3Mシンサレート(TM)」
4層目が防風、防水、耐摩耗性のあるスパンデックス。
3Mシンサレート(TM)とは
https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/thinsulate-jp/
化繊ダウンは「薄くて暖かく、安い」。
様々なアウトドアブランドが独自の化繊ダウンを開発しているが、その理由は、天然ダウンのデメリットをすべて解消できるからだ。
天然ダウンは、軽くて空気をたくさん含むため圧倒的に暖かいが、暖かさはダウンの嵩に比例するため、ボリュームが出てしまう。
また希少な上に加工に手間がかかるので、値段が高くならざるを得ない。
さらに、ダウンは内からも外からも水濡れに弱い。
運動には向かないし雨にも弱い。
化繊ダウンはその点、ボリュームも少なく、加工しやすいので安価で、吸水性はほぼ無いため湿らず、運動量が少なくても多くても対応できる。
汎用性が非常に高い。
しかもこの3Mシンサレート(TM)、よくあるポリエステル化繊に比較すると約1.5〜2倍の保温性をもつ。
ベーシックなモデルでも街から山までカバーできるのも納得である。
まとめ
日常使いなら①。
運動量が少なく保温性は欲しいが、手先をよく動かす場合は②。
とにかく防寒重視ならミトン。
ちなみにミトンタイプは、スペック上冬登山が可能だが、今回検証ができていない。
試しに冬登山で使用される方は、必ず予備のご用意を。
それぞれの行動範囲に合わせてチョイスをして欲しい。
モデル | 想定シーン |
5本指①(中綿100g) | 屋外遊び、自転車、通勤 |
5本指②(中綿200g) | 釣り、キャンプ、ハイキング、雪かき、バイク |
ミトン | スキー、スノーボード、冬登山 |
すべてのモデルがユニセックスなので女性も使用可能。
指先が多少余りはするが、防寒目的であれば手の小さい女性でも問題ない。
Mサイズをカップルやご夫婦で兼用してみてはどうだろう。
最近のアウトドア装備は、ハイスペックからコスパ重視まで選択肢が非常に幅広くなった。
条件を見比べ、最適なものを選ぶのも楽しみのひとつではないだろうか。
ラドウェザーなら気軽に試せる。
あれこれ試し、お気に入りを見つけて快適に冬を楽しもう。
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