疲れない歩き方とは?ハイキングの達人が教える、ワンランク上のハイキング
山頂を目指す登山とは違い、大自然に広がる景色や空気を感じながら散策するハイキング。
低山や遊歩道など比較的な緩やかなフィールドを歩くので、体力に自信がない方でも楽しめます。
ただ、特別なスキルや体力が必要ないとはいえ、人によってはとても疲れるのも事実です。
ハイキングで疲れやすい理由には、歩き方や姿勢が関係しています。
そこで、本記事では、ハイキングで疲れにくい歩き方や姿勢をご紹介します。ストックの選び方や使い方などもご紹介するので、ハイキングの装備に役立ててみてください。
ハイキングで疲れやすいのは歩き方が原因?
ハイキングは、登山やトレッキングに比べて、体力の消耗は少なめですが、運動による疲れは当然あります。
ただ、何だか疲れやすい、すぐバテてしまう場合は、歩き方に原因があるかもしれません。
どのような歩き方だと疲れやすいのかをご紹介していきます。
歩く時背中が曲がっている
ハイキングで疲れやすい人は、無意識に前傾姿勢になっていることが多いです。
足元を注意しすぎて腰が曲がったり、疲れてきて姿勢を保つのが難しくなったりして姿勢が曲がってしまいます。
姿勢が曲がってしまうと、リュックの重みが身体にそのまま伝わり、体力を消耗しやすいです。
リュックを背負っていなくても、体重が足に集中したり、バランスが崩れて無駄な体力を消耗したりして疲れを感じやすくなります。
足の角度がまっすぐ地面についている
足が地面に対してまっすぐついていると、足首に負担がかかりやすくなります。
足首は身体を支える重要な部分で、足首が疲れると身体がブレてしまい、バランスをとるために余計な体力を消耗します。
特に斜面では、足を着いたときに平地よりも足首が曲がるので、負担が大きくなりやすいです。
地面につく足の角度を気持ち外側に開くと負担を軽減でき、疲れにくくなります。
つま先やかかとから着地している
普段と同じ歩き方で、つま先やかかとから着地して歩くと疲れやすいです。
つま先、かかとどちらかに体重がかかるので、ふくらはぎの筋肉や足首・膝などの関節がきつくなってきます。
また、気軽に取り組めるハイキングといえど、自然の道や山道は不安定です。
つまさき歩きでつまづいたり、かかと歩きでバランスを崩したりすると、転倒や怪我のおそれもあります。
歩幅が大きい
距離を稼ごうとしたり、普段の歩き方で歩いたりすると、歩幅が大きくなりがちです。
歩幅が大きくなると、前に出した足に体重が偏るので、疲労度が増してしまいます。
また歩幅を大きくするために、足のエネルギーも多く使い、さらに疲れてしまうでしょう。
ハイキングでどのくらいの歩幅で歩いているか振り返ってみましょう。
ペースが早く呼吸が乱れている
ハイキングの歩き始めは、身体も元気で、心もワクワクしているので、ついペースが早くなってしまうでしょう。
ペースが早くなると呼吸が乱れてしまい、バテやすくなります。
早くコースを歩ききりたい、スピーディに気持ちよく歩きたいといった気持ちをおさえて、無理のないペースで歩くことが大切です。
ハイキングで疲れにくい歩き方のコツ
あまり疲れずに気持ちよくハイキングするためには、歩き方が大切です。
足への負担を減らすことで、キツくていっぱいいっぱいにならず、景色や仲間とのコミュニケーションなどを楽しめるでしょう。
さっそくハイキングで疲れにくい歩き方のコツを見ていきましょう。
姿勢をまっすぐに保つ
ハイキングで歩くときは、姿勢をまっすぐ保ちましょう。
足と背中、頭が同じ直線上にあるのが理想です。
背中を曲げると余計な力が入りますが、姿勢がまっすぐになっていると、筋肉を使いすぎず身体全体で歩けます。
リュックの重みも伝わりにくいので、荷物の多いハイキングでも疲れにくいです。
足裏全体で着地する
つま先やかかとからではなく、足全体で着地するのが正しい歩き方です。
重心がどちらかに傾くことなく、筋肉や関節の負担を軽減できます。
平地だけでなく、斜面でも角度に合わせて着地すれば、きつい勾配でも疲れにくくなります。
ただ、足裏全体で歩くのは、始めはやりにくいかもしれません。
パタパタ歩くとかえって足裏に衝撃が強くなるので、足裏で着地して重心をかかとからつま先に移動しつつ足を上げるという意識で歩いてみましょう。
小さい歩幅で細かく歩く
疲れにくいハイキングを楽しむためには、小さい歩幅を心がけましょう。
踏み出す幅が小さくなるので、省エネで歩けます。
足にかかる負荷もおさえられて、筋肉や関節にかかる負担も少なくなります。
進む距離こそ大股で歩くときに比べて小さくなりますが、ハイキングは長い道のりを歩くので、なるべく負担を減らして、着実に登るのが大切です。
急な斜面はジグザグに歩く
ハイキングコースによっては、急な斜面があるでしょう。
そのまままっすぐ歩くと足首やふくらはぎなどに負担がかかり疲れるので、ジグザグに歩くようにしましょう。
斜面に対して横に歩くと傾斜が小さくなり、負担が軽減されます。
またまっすぐ登ると滑ったり、バランスを崩したりする可能性もあります。
疲労だけでなく、怪我を防ぐためにも斜面はジグザク歩きが最適です。
段差や階段はゆっくり歩く
段差や階段があるハイキングコースもあり、歩き方に工夫が必要です。
段差や階段では、一歩一歩力を入れて歩くと、筋肉や膝に大きな負担がかかります。
そのため、一気に登ろうとせず1段1段ゆっくり登るようにしましょう。
重心を前足にかけすぎると疲れやすいので、後ろ足に重心を残しつつ、前足を上げ徐々に重心移動するのがベストです。
高さがある段差や階段は、段差・階段に対してまっすぐ入るのが難しい場合もあります。
その時は、段差・階段に対して身体を横にしてゆっくり1段ずつ昇り降りしましょう。
ハイキングにストックを活用しよう
ハイキングで疲れにくい歩き方には、ストックの活用もおすすめです。
身体を支えやすくなり、足の負担が軽減されるので、疲れにくくなります。
ストックにはいくつかの種類があり、素材や重さなど性能に違いがあります。
ストックの種類や選び方、ストックを使った歩き方をご紹介します。
ストックの種類
ハイキングや登山などに便利なストックには、T字型とI字型の2種類があります。
T字型は、持ち手部分がT字になっていて握りこむように持ちます。
普段と同じ感覚で歩くことができるので、はじめてストックを購入する方におすすめです。
1本で使用するのが主流で、ハイキングで気軽に使うことができます。
I字型は、グリップ部分もまっすぐな棒状のストックです。
スキーストックに似た形をしていて、両手に持つのが一般的な使い方となっています。
T字型よりも足や関節への負担を軽減する効果が高いので、長距離のハイキングや勾配のあるコースなどに最適です。
ストックの選び方
ストックはT字型・I字型の種類だけでなく、長さや重さ、収納方法などにも違いがあります。
自分に合ったストックを選ぶことで、より負担を軽減して疲れにくいハイキングができます。
ストックの選び方のポイントをご紹介してします。
・ストックの長さ
ストックは、T字型とI字型で最適な長さが異なります。T字型はT字のグリップを上から握るので、肘を伸ばした状態でつける長さが最適です。
一方、I字型はスキーストックのように肘を曲げて握ったときの地面との距離が、長さの目安となります。
また、T字型とI字型どちらのストックも、登りよりも下りの方が地面との距離が長くなります。
そのため、10cm~15cmほど調節の余裕を持ったストックを選びましょう。
・ストックの素材、重さ
ストックには、主にアルミまたはカーボンが使われています。
アルミのストックは、カーボンよりも重いものの、価格が安いのが特徴です。
コストをおさえてストックをそろえたい方やお試しでストックを使ってみたい方に適しています。
カーボン製のストックは、アルミよりも軽量でありながら強度があるので、腕への負担が少なく快適に使えて、長持ちさせられます。
ただ、アルミ製ストックよりも高価で、はじめてのストックには不向きです。
ハイキングに慣れてきて、より質のよいストックに新調するときに、カーボン製を検討してみましょう。
・収納方法
ハイキングでストックを持ち運ぶには、収納方法も重要です。
主に、テレスコーピング式と折りたたみ式のストックがあります。
テレスコーピング式とは、シャフトを縮めて収納する仕組みで、リュックの側面に取り付けて持ち運びます。強度の高さや長さ調節できることなどが特徴です。
折りたたみ式は、連結部分を取り外すことでコンパクトに折りたためます。
荷物をできるだけ小さくおさめたいときに便利なストックのタイプです。
ただし、商品によってはあらかじめ長さが決まっている場合があるので、長さ選びに注意しましょう。
・機能
ストックの長さや重さ、収納方法をチェックしたら、最後にあると便利な機能にも注目してみましょう。
便利機能の例としては、スプリング内蔵やフリックロック調整などがあります。
スプリング内蔵ストックは、内蔵されたスプリングが衝撃を吸収してくれるので、手や腕への負担を減らします。
フリックロック機能は、ワンタッチでロックが外れる仕組みで、すばやくストックの長さ調節が可能です。
疲れにくいストックを使った歩き方
ストックは、ハイキングの疲れを軽減する便利なアイテムですが、使い方次第ではかえって疲れる場合もあります。
ストックを正しく使うことが疲労軽減につながります。
ストックを突くときは、基本的に前に出す足と反対のストックを突きます。
歩きに合わせて反対のストックをリズムよく突きましょう。
この時意識したいのが、ストックを垂直に突くことです。ストックを遠くに突いてしまうと、身体を引き寄せるために腕の力を使い、かえって疲れてしまいます。
遠すぎない位置に垂直に突き、余計な力を使わないようにしましょう。
ハイキングで疲れを軽減するためにはウォーミングアップや休憩も大切
ハイキングでは、疲れにくい歩き方も重要ですが、歩く前の準備や休憩なども気をつける必要があります。
しっかり身体の準備をし、無理なく休むことが大切です。ウォーミングアップや休憩について詳しく見ていきましょう。
歩き始めはゆっくり歩いて身体を温める
疲労がなくテンションが高い歩き始めはついペースが上がりがちです。
身体も元気に感じますが、歩き始めは温まっていないのでウォーミングアップが欠かせません。
そのため、身体が温まっていない歩き始めはゆっくりと歩いていきましょう。
歩いているうちに身体が温まり、動きやすくベストなコンディションになっていきます。
歩き始めのペースを考慮したスケジュールを立て、徐々に最適なペースに上げていくのが大切です。
またウォーミングアップで温まった身体も気温や汗などで冷えてしまうと、パフォーマンスが落ちて疲れやすくなります。
防寒や脱ぎ着での体温調節を行い、体の冷えを防ぎましょう。
定期的な休憩で無理なく歩く
身体の調子が良いからといって休憩しないと、後になって身体に負担がきて、ドッと疲れてしまいます。
ハイキングでは、定期的な休憩が大切です。必ず予定に組み込みたいのがランチ休憩で、栄養補給と体力回復に欠かせません。
注意したいのは、何時にランチ、頂上でランチといったように決めないことです。
お腹が空いているのに頂上まで休まないことになれば、疲労がたまり、回復しきれないでしょう。
あくまで目安として、何時頃にランチ、お腹が空いたら食べようといった計画がおすすめです。
ランチ休憩以外の一休みは、50分歩いたら10分休むというペースがベストと言われています。足を止めて栄養・水分を補給して体力を回復させましょう。
50分に1度の休憩も目安なので、疲れる前に早めに休憩することも大切です。
まとめ
ハイキングで疲れないためには、歩き方や姿勢を見直す必要があります。
歩く時の姿勢や歩幅、着地、急斜面・段差の歩き方を意識することで、筋肉や関節への負担が減り、疲れにくくなります。
また疲れにくいハイキングにはストックも使ってみましょう。
自分に合ったストックを選ぶことで、身体にかかる負担を効率よくカットして疲労を軽減できます。
歩き方やストックの役割を理解した上で、ウォーミングアップや休憩も意識して、疲れにくく気持ちの良いハイキングを楽しみましょう!
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