雷が鳴ったら木の下に避難 → それ、実は凄く危険です!

その行動で運命が変わるかも!?
変わりやすい山の天気に詳しくなって、安全で快適な登山を。

「山の天気は変わりやすい」という言葉を聞いたことがありませんか?山は、普段生活している平地とは環境が異なり、気候条件に特徴があります。

どんなに美しい山でも、急な天気の悪化で登山者に牙を向くので、登山を楽しむためにも山の天気について知っておく必要があります。

本記事では、山の天気について、気候が変化しやすい理由や覚えておきたい豆知識をご紹介します。

天気に合わせた対策や下調べに便利なアプリ・サイトも紹介するので、登山の心構え・準備に生かしてみましょう。

「山の天気は変わりやすい」理由

「山の天気は変わりやすい」という言葉は、登山を好む人にとっては良く聞くフレーズでしょう。

有名なフレーズというだけでなく、平地との地形の違いによって、天気が変わりやすいメカニズムがあります。

天気の変化は、雨を降らせる雲が発生することで起きます。

山の場合、平地では吹き抜けていく風が山の斜面を登っていき、上昇気流が発生します。

海側からの水分を含んだ上昇気流は雲を発生させやすいです。

山の斜面を登った後、空気は斜面を下り、雲を発生させる上昇気流はなくなるので晴れやすくなります。

山はきれいな三角形ではなく、複雑な地形をしていることもあって、気流の流れが場所によって異なり、雨や晴れなど天気が変わりやすくなるのです。

山の天気で覚えておきたい豆知識

山の天気についての知識は、安全に登山を楽しむために欠かせません。

晴れか雨かだけでなく、雷や気温などについても知っておくと、登山準備や当日の対処に役立つはずです。山の天気で覚えておきたい豆知識を5つ見ていきましょう。

雲の状態で天気がわかる

山の天気を知る方法として、「観天望気」という言葉があります。

雲の状態を見ることで、天気を予測するという意味があり、雲は天気を知るヒントになります。

例えば、縦に大きく広がり迫力のある積乱雲は、大気が不安定であることを示し、大雨や落雷などを引き起こします。

他にも、ひつじ雲やうろこ雲など馴染みのある雲にも天候変化の予兆が隠れているのです。

主な雲とその形状、天気の変化を表にまとめたので、ぜひ確認しておきましょう。

雲の名前 雲の形状 予想される天気の変化
積乱雲 縦に長く巨大 落雷や大雨、強風など
巻積雲 うろこ状 雨など
高積雲 塊の大きいうろこ状 雨など
かなとこ雲 金床型 雷、突風、強風など
笠雲レンズのような形 強風

雷は海抜との温度差で判断

登山での落雷は、死にも直結する危険な天気です。

雷は高い場所や突起物などに落ちやすく、山の稜線や木の下などに落ちやすいので、雷をあらかじめ予測して避難する必要があります。

雲の状態で判断することも可能ですが、海抜との温度差で予測できます。

海抜0メートル地点の温度と山頂の温度の差が目安となり、温度差22度以上から雷の発生確率が上がります。

登る山の山頂と付近の海抜の温度差を調べ、雷の危険性を調べておきましょう。

山の天気はくずれやすく回復しにくい

山の天気は、複雑な地形によってくずれやすいだけでなく、回復もしにくいことに注意が必要です。

一旦雨や雷が止んだとしても、再び雲が発生して大雨や落雷にさらされるかもしれません。

落雷は、雷3日とも言われ、しばらく続くと言われています。

その時の天気と合わせて、どうなっていくかを雲などから予測して登って行きましょう。

気温は標高100mごとに0.6度下がる

山の天気で気をつけたいのは、雨や雷だけではありません。

山の気温の変化を知って、装備を工夫する必要があります。

山の気温は、標高100m毎に0.6度下がると言われています。

標高1,000m地点では平地よりも6度低くなるので、標高3.776mの富士山では麓と山頂で20度以上も寒くなる計算ができます。

真夏の登山だとしても、山頂に近づくにつれ、寒さが厳しくなります。

気温変化を考慮して、体温調節のできる装備を用意しましょう。

山の天気に関することわざ

山の天気に表す言葉は、「山の天気は変わりやすい」以外にも多くあります。

ことわざであっても、山での経験からつくられたものも多く、登山での天気に対する心構えをつくるきっかけになるでしょう。

いくつかのことわざを紹介するので、山の雑学として覚えてみてくださいね。

山の天気に関することわざ

・「ひつじ雲が出ると翌日雨」

・「魚が水面に出て呼吸していると雨」

・「西の雲が曇っていると雨になる」

・「山に笠雲がかかれば風雨の兆し」

・「風無きに雲行き急なるは大風の兆し」

・「日の入りの雲の色青く見えて、雲多く重なれば暴風の兆し」

・「うろこ雲が出たら、三日のうちに雨または風」

・「高い雲と低い雲が逆方向に流れると風や雨」

・「鐘の音が良く聞こえるときは、雨の兆し」

・「朝日の出ずるとき、その色青く見ゆるは大風雨の兆し」

山の天気が崩れたときの対策方法

山の天気の豆知識を踏まえて、急な天気が変化した時の対策もしっかり行いましょう。

天気次第で山は過酷な環境になり、身に危険を及ぼす可能性もあります。

雨天時の対策と落雷時の対策をそれぞれご紹介していきます。

雨天時の登山対策

山は上昇気流によって雲が発生しやすく、朝は晴れていても午後に急に大雨になることもあります。

雨は身体を冷やしてしまうので、雨に強い装備をあらかじめ用意したり、突然に雨に対応できる準備をしたりすることが大切です。

4つの雨対策を見ていきましょう。

・身体を冷やさない

山での雨は、急激に身体を冷やしてしまいます。

平地より寒い気温や強風も加わって、身体がより冷えていき、低体温症になってしまうかもしれません。

低体温症は、一定の体温を下回った状態で、身体の機能不全を起こし、最悪の場合死に至る場合もあります。

山で雨が降ってきたら、まず身体を冷やさないことが重要です。

レインウェアやレインパンツ、足回りをカバーするスパッツ、グローブなど、しっかり身体を覆い雨に当たらないようにしましょう。

もうひとつ雨対策に便利なのが折りたたみ傘。

休憩する時などの雨除けに重宝します。ウェア類と合わせてそろえておくのがおすすめです。

・雨を予想した装備、パッキング

雨が降るとリュックが濡れてしまうので、ザックカバーを準備しておきましょう。

ザックの中の着替えやレインウェアなどが濡れてしまうのを防ぐことができます。

濡れたウェアを着ると、かえって体温を奪われるので、ザックカバーは重要なアイテムです。

また、雨を予想して荷物が濡れないパッキングにも気をつけましょう。

着替え類はもちろん、携帯電話や財布など濡らしたくないものは、バッグインバッグやビニール袋などで保護しておくと、雨で濡れることを防げます。

・視界の確保

雨天時は、雲が空を覆ってしまい暗くなるので視界が悪くなります。山には、複雑な地形や足場が不安定な箇所もあり、危険な場所を回避しなくてはいけません。

雨天時に視界が悪くなると、つまずいて転んだり、足を滑らせて転落したりする可能性が高まります。

できるだけ視界を確保するために、ヘッドライトを常備しておきましょう。

いち早く危険な場所に気づき回避できるはずです。

暗くて進行方向を見失うことも防ぐことができ、遭難対策に適しています。

・中止する勇気も大切

頂上が目前に迫っていたとしても、激しい雨が降ってきたら諦める勇気も大切です。

事前に雨が降る確率が高い時も、登りたい気持ちをおさえて中止するのが安全でしょう。

もし無理に登った場合、岩場で足を滑らせたり、目印を見失い遭難したりするなど、非常に危険です。

特に一人で登っている場合、決断するのは自分しかいません。無理せずに中止するのが懸命です。

落雷時の登山対策

山では、雨と同じくらい雷も発生する可能性が高いです。

光や音の怖さはもちろん、もし当たってしまったらと考えるとゾッとしますね。

もし登山中に雷が落ちたら、すぐに安全な場所に避難する必要があります。

さっそく落雷時の対策をご紹介していきます。

・山小屋に避難

もし遠くに落雷が見えたら、すぐに山小屋に避難しましょう。

雷は、高いところに落ちやすく、外にいるよりも室内の方が確実に安全です。

山小屋に入った後は、電化製品から離れると、より危険が少なくなります。

とりあえず室内に入ろうと、テントや掘っ立て小屋に入るのは危険です。

かえって雷が落ちやすく危険なので、山小屋に行くか、危険の少ない場所で雷がおさまるまで待ちましょう。

・木の下は危険

小屋が近くになく、テントや掘っ立て小屋以外で身を隠す場所で思いつくのが、木の下ではないでしょうか?

木の下は、実はとても危険な場所で、高い木には落雷が落ちやすいです。

電流が木を流れて周りに感電するので、木からは4m以上離れるようにしましょう。

木と同じく、岩場にある尖った岩にも雷が落ちやすく危険です。

木の下と岩場から離れて、雷から身を守りましょう。

・高い場所を避ける

山の中でも特に雷の危険性が高いのが、頂上や稜線など高い場所です。

山小屋が近くにない場合は、できるだけ低い位置に移動しましょう。

低い場所ほど雷が落ちる可能性が低くなりますが、急ぎすぎるとかえって滑落や転落の危険性があります。

他の場所より低い窪みのある場所に行くなど、焦らず低い場所を移動することが大切です。

・姿勢を低くする

低い場所でもそのまま立っていると、雷を誘う危険性があります。

地面に身体を付ける範囲が広いと感電のリスクがあるので、しゃがんで姿勢を低くして待機しましょう。

この時、ストックを立てたり、ピッケルが飛び出していたりすると、雷を誘いやすいため注意が必要です。

山の天気を調べるために活用したいアプリ・サイト

山の天気の変化に対応するためには、登山前にしっかり天気を調べておきましょう。

テレビの天気予報だけでは細かい情報がわからないので、アプリやサイトで細かく調べるのがおすすめです。

山の天気の下調べに活用したいアプリ・サイトをご紹介していきます。

【アプリ】tenki.jp 登山天気

「tenki.jp 登山天気」は、日本気象協会が提供する公式アプリです。

三百名山の山から天気を調べたい山を選ぶことで、細かく気象状態がわかります。

主な項目は、「山コンディション」「ピンポイント予報」「雨雲・雷危険度」の3つです。

「山コンディション」では、ふもと・登山口・山頂の3箇所の気温や降水確率がわかり、「ピンポイント予報」でさらに細かい地点の天気情報を把握できます。

3時間天気や週間天気を確認できるので、登山の計画や当日の天気予測に便利です。

「雨雲・雷危険度」は、事前に調べておき、雨・雷の回避に役立ちます。

よく登る山や次に登る山をマイ山に登録することもできるので、登山準備を快適にしたい方は、ぜひtenki.jp 登山天気をダウンロードしてみましょう。

【サイト】てんきとくらす

「てんきとくらす」は、天気を調べられる山が多いのが特徴です。

2000箇所近くの山を調べられるので、ほとんどの山の登山準備に役立ちます。ジャンルの「高原・山」を選び、エリアを指定すると、山の一覧が表示されます。

調べたい山を選ぶと詳細情報を見ることができ、細かい天気予報を見られます。

気温や風速、降水量などの基本情報だけでなく、登山指数がわかるのが特徴です。

気象情報に合わせて、Aが登山に適している、Bがやや登山に適していない、Cが登山に適していないと、一目で登山できるかがわかります。

その他の項目には、見晴らし予報・星空指数・紅葉見頃予想などもあるので、レジャー目的で登山に出かける方にもおすすめのサイトです。

【サイト】ヤマケイオンライン

山と渓谷社が運営する「ヤマケイオンライン」は、山の天気以外にも幅広い登山情報が集まっています。

「日本の山検索」や「登山コース検索」などで調べたい山を調べることで、山の気象情報とルート情報を参考に、天気対策や最適なルート選択を可能にします。

ヤマケイオンラインで活用したいおすすめ機能が、登山計画の作成・保存機能です。

無料会員登録をすると利用できるようになり、気象情報などを参考にして、登山計画を立てられます。

登山のスケジュールを立てることで、当日スムーズに登ることができ、天候に合った行動をとれるでしょう。

また登山履歴の登録・整理・分析などもできるので、登山の成果を残しておきたい方にも便利です。

まとめ

山の天気を知ることは、安全かつ快適に登山を楽しむために欠かせません。

豆知識として、山の天気が変わりやすい理由や気温の変化、雷が発生しやすい条件などをぜひ覚えておきましょう。

豆知識は、天気が変わった時の対応だけでなく、登山準備にも役立ちます。

雨に強い装備や雷が発生した時の心構えなど、しっかり天気の変化に備えましょう。

山の天気の雑学をおさえて、登山ライフを楽しんでくださいね。


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